五十嵐大介トークショー&原画展@京都国際マンガミュージアム

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時間ギリギリになってしまったけど、なんとか開始時間に間に合いました。
ほぼ満員、若い人が多かったです。
サイン会整理券入手のために、開場前から並んでた人もいたみたい。
席が後ろのほうだったので、お顔がよく見えなかったのは残念。聞き手の木村さんと担当編集者の豊田さんはよく見えたのですが(笑)。
印象的だったのは、絵を描き込み過ぎないようにしてた、と言ってたこと。ここ数年は、それがテーマだったそうです。
えーっていう感じですけどね。どちらかと言うと、というか間違いなく、絵の情報量も、また単純に線の量も多い方に入る作家だと思います。
多分、放っておくとつい描いてしまうので、そうしないように意識してる、ということなのでしょう。1コマに情報をつめ込まずにコマを分けるようにしている、とも言ってました。
また、五十嵐大介氏の作品は、女の子の主人公が多いですが、そこはキャッチーにするために意識してやっているとのこと。写真集とか買って研究してるそうです。僕も、五十嵐作品に登場する女の子は大好きですが、その魅力はルックスもさることながら、ちょっと浮世離れした神聖な感じと面倒くさい生身感の絶妙なバランスにあるのではないかと思うのですが、どうでしょう?これが氏の女性観によるものか、それともなにか影響を受けた作品なりの元ネタがあるのか、気になるところです。
担当編集の豊田氏が、印象的だったとして上げていたのは、『海獣の子供』第5巻26~29ページのコマ割り。
横に細長いコマが下に、続くページには上に挿入されています。確かに、普通はこんなコマ割りしないかも。言われるまで気付きませんでした。
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瞬間を小さく切り取り、背景もトーンのみのこの細長いコマは、一瞬音をミュートしたみたいで、大きいコマの波の音が逆に際立つような気がします。
あと、1巻33ページの2コマ目の縦に細長いコマも、単行本で描き足したそうです。
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このコマが入ることで一瞬時間の流れが止まり、そのことで逆にゆったりとしたクジラの動きが強調されるような、不思議な効果がある気がします。
これまでは、景色や風景に興味があり、そこから受け取る印象を再現して追体験させるような作品を描こうとしてきたけど、今は、もっと人間を描いてみたくなったそうです。人間の中にも、風景と同じようなものがあると。そして、気になる次回作は、「戦隊物(!?)」を構想中だとか。
2時間は長いかと思ったけど、30分の質疑応答を入れて、終わってみればあっというまでした。
この日から始まった原画展では、『海獣の子供』や『魔女』『SARU』などの原画12枚が展示されてます。ウワサのボールペンで書かれた原稿のほか、美しい水彩のカラー原画も展示。
無料で見れる(入館料は必要)のはいいけど、もうちょっとボリュームが欲しかったかな。
もらってきた今回の原画展のチラシ。
半透明の素材を使ってて、青い絵の透明感がキレイです。
この手の展覧会のチラシにしてはめずらしい。
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海獣とタマシイ~五十嵐大介の世界
期間:2012年8月18日(土)~9月9日(日)
会場:京都国際マンガミュージアム 1階 エントランス

この日の午後はえらい大雨と雷だったみたいだけど、ちょうどその時間は、館内か帰宅の移動中だったので、まったく濡れずに済みました♪

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