先日、福田里香さんの『ゴロツキはいつも食卓を襲う-フード理論とステレオタイプフード50』を紹介しましたが、彼女がラジオで宮崎駿をフード理論でがっつり語ってて、これがまた面白い。
「”なぜ、宮崎アニメの食事シーンはあんなにもグッとくるのか?”副題『FOOD理論 特別編-私の宮崎駿-』by 福田里香」
その話の内容は、リンク先で聞いていただくとして、彼女が初めて触れた宮崎作品と語っているのがこちら。
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※コミックボックス1983年2・3月号より。未確認ですが、アニメージュ文庫の『長靴をはいた猫』にも収録されているそうです。
なんとアニメではなく、昭和44年(1969年)に中部日本新聞・東京新聞の日曜版に掲載された『長靴をはいた猫』のコミカライズ。まだ宮崎駿が無名の1アニメーターだった頃の作品です。誰が書いたものとも知らずに見て、当時小学生の福田さんは「これは切り抜いて取っておかねば」と衝撃を受けたそうな。そして、確かに8コマ目だけ白黒のモノトーンです。よく憶えていたなあ。それほど印象的だったのですね。ちょっと分かりにくいですが、テーブルのろうそくだけ色がついてて、それで余計に侘しさが際立ってます。
このころの絵柄は、宮崎駿の個性がまだそれほど出てませんが、のちの話数では、非常にダイナミックな縦構図のコマもあり、のちの片鱗が感じられます。
この第1話の1コマ目も、建物のディテールや俯瞰の構図、地面に落ちた窓の灯の表現なんかが素晴らしいですね。
ちなみに、『風の谷のナウシカ』以前のマンガ作品としては、本作以外にも『どうぶつ宝島』と『砂漠の民』が知られており、前者は『長靴~』と同様、映画のプロモーションとして無記名で、後者はオリジナル作品でペンネーム・秋津三朗で新聞連載されてました。いずれも雑誌コミックボックスに収録されて以降、出版物にはなっていないはず。おそらく、氏の目の黒いうちは、日の目を見ることはないと思われます。
(2012.6.1追記)
宮崎駿のマンガ版『長靴をはいた猫』、確かにアニメージュ文庫の本に収録されてました。全話納められているので、ぜひ見てみて下さい。
アニメーション本編の画面キャプチャのほか、森やすじ・大塚康生の対談も収録。若いころの宮崎駿・高畑勲の恋愛事情も暴露されてたりして(笑)おもしろいです。