1年前の今日、僕は窓からお台場が見えるビルで仕事をしていました。
自席で作業をしていると、これまでに体験したことのない大きな揺れを感じました。隣の席の女の子が悲鳴を上げて机の下に潜り込みました。僕は、コロのついた椅子に座ったまま動けず、机にしがみついていました。揺れが治まった後、肘から手首にかけてスーツの袖が埃まみれになってました。揺れのせいで、袖で机の上をモップがけしたみたいになったのでした。
ふと見上げると、天井板が一部落ちかかっていていました。後で、人がそこに立ち入らないよう、誰かがテープを張ってました。お台場のフジテレビの方から立ち上る黒い煙と、隣のビルから避難した人々が、窓から見えました。
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とりあえず定時まで待機していたのですが、この日は朝から暇だったので、結局6時頃には会社を出て帰路に付きました。当時会社から徒歩30分くらいのところに住んでいたので、幸い、帰宅自体は特に困難はありませんでした。ただ、第一京浜が車が全く動かない状態になっていて、歩道も今まで見たことがないくらい沢山の人が歩いてました。
そんな中、お店が割と普通に営業しているのに驚きました。駅前の本屋さんに入ったら、特に本が乱れた様子もありませんでした。その日が発売日だった『ちはやふる』12巻を買いました。行きつけの定食屋さんも開いたので、そこで夕食を食べました。お店の人が「一度開けちゃったんで、閉めるわけにもいかなくて」と言ってて、そういうものかと思いました。
JRの駅を覗いたら、改札はシャッターが降りて、その前に警官かJRの駅職員が立ってました。たくさんの人が、携帯電話を片手に途方に暮れていました。
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明日の朝食べるものを買おうと思ってコンビニに立ち寄ったら、すでに棚は空っぽでした。でも、僕と同じように食べ物や飲み物を買おうと入れ替わり立ち代り人が入ってきました。
マンションのエレベータは止まっていたので、非常階段を登りました。壁にはところどころひびが入り、コンクリートのかけらが落ちていました。
部屋の中は、本棚がちょっと心配だったのですが、突っ張りをしてたお陰で無事でした。床に積んであった本の山がすこし崩れただけでした。
それから寝るまで、テレビとニコ生とツイッターにかじりついてました。
これが、あの日僕が体験した全てです。
震災があってもなくても、会社を辞めることにはなったと思います。しかし、古本屋をやろうと思ったのは、この震災があったからです。
大きな揺れの中で「ああ、『でかい一発』というのがついに来たんだ」「この次の瞬間、死んじゃうかもしれないんだ」と思いました。
だったらもう、嫌だなあ、やりたくないなあと思うことを、この先ずっと続ける訳にはいかないと思いました。
今日もツイッターで、あの日を振り返り、黙祷を捧げる人がたくさんいました。僕は見てませんが、テレビでも特番をずっとやってるのでしょう。あの日以来、被災地のため、この国の未来のために、発言し、行動をする人が大勢います。ほんとにエライ人たちだなあと思います。
それに比べて、僕は自分のことばっかりです。それでも、まずは自分の思いに正直になろうと思います。誰かのため、は、その先になければ嘘だと思うのです。
それが僕の身の丈です。
ほんとは今日、こういうことを書くつもりはなかったのですが、あの日のこと、というか、今日思ったことを忘れないために書きました。